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倉田 有司; 二川 正敏; 斎藤 滋
JAERI-Research 2005-002, 37 Pages, 2005/02
加速器駆動核変換システムの核破砕ターゲット及び冷却材として用いられる液体鉛ビスマス中の腐食挙動に及ぼす温度及び合金元素の影響を明らかにするため、450C及び550Cの酸素飽和した液体鉛ビスマス中で、種々のオーステナイト及びフェライト/マルテンサイト鋼について、3000hの静的腐食試験を実施した。腐食深さを、内部酸化を含む酸化膜の厚さ,結晶粒界腐食深さ,形成したフェライト層の厚さの和と定義した。450Cでの腐食深さは、フェライト/マルテンサイト鋼,オーステナイト鋼にかかわらず、鋼材中Cr量の増加とともに減少する。450Cでは3つのオーステナイト鋼で、Ni及びCrの明らかな溶解は起こらなかった。フェライト/マルテンサイト鋼の腐食深さは、550CでもCr量の増加とともに減少する。JPCA及び316ステンレス鋼のオーステナイト系ステンレス鋼の腐食深さは、550CでのNiの溶解に起因するフェライト化によって、フェライト/マルテンサイト鋼より大きくなる。約5%のSiを含むオーステナイト系ステンレス鋼は、保護的なSi酸化膜が形成し、Ni及びCrの溶解を防ぐため、550Cで優れた耐食性を示す。
倉田 有司; 二川 正敏; 菊地 賢司; 斎藤 滋; 大杉 俊隆
Journal of Nuclear Materials, 301(1), p.28 - 34, 2002/02
被引用回数:52 パーセンタイル:93.85(Materials Science, Multidisciplinary)核破砕条件下での照射とともに液体鉛合金中の腐食が加速器駆動システムの開発のための重要な研究開発項目である。液体鉛合金中の腐食挙動は温度,高温部と低温部の温度差,液体鉛合金中の酸素濃度,流速,照射,応力,材料の化学組成等によって、影響される。特に、酸素濃度と保護膜の有効性が重要である。現在の研究開発計画が述べられる。(1)静的Pb-Bi中の基礎的な腐食研究では、腐食メカニズムの理解のために、種々の合金,純金属,被覆材が、異なる酸素濃度のもとで試験される。照射効果として、トリプルイオンビーム照射の腐食に及ぼす影響が調べられる。(2)流動Pb-Bi中腐食試験として、Pb-Biループを用いた試験が行われる。静的腐食試験装置、腐食試験ループの概要、酸素飽和条件下のPb-Bi中静的腐食試験の結果が述べられる。